欧州経済・生産性担当委員のヴァルディス・ドンブロフスキス氏は、各国に対し、エネルギー支援を、化石燃料の需要を刺激しない一時的かつ対象を絞った措置に限定するよう求めている。ダブリンで開かれたユーログループの記者会見で同氏は、借入コストの上昇により、政府がエネルギー価格の高騰に対応する余地が狭まっていると警告した。特に公的債務の多い国で影響が大きいという。
要点 エネルギー支援は一時的かつ対象を絞ったものにすべきだ。ドンブロフスキス氏は、供給ショックに対して消費を刺激しても解決にはならないため、支援が化石燃料の需要を押し上げないよう求めている。国債利回りの上昇は、国債の満期が比較的長いため、徐々に債務コストへ波及する。ただし同委員は、債務の大きい国は特に影響を受けやすいと警告した。欧州委員会は、中期財政計画の順守と、防衛目的の柔軟性の慎重な活用を求めている。これらの発言は、新たな欧州資金調達パッケージを発表するものではない。
フランスとイタリアが、より厳しい金融環境の下で家計や企業を支援することの難しさについて質問されると、ドンブロフスキス氏はエネルギー問題を供給ショックと説明した。同氏によれば、需要を刺激しても供給不足は解消されず、国債市場の動向は支援対象を慎重に限定すべきだとの主張を強めている。
同委員は、戦略的な対応は輸入化石燃料への依存を減らすことだと主張した。欧州委員会が以前提示した「AccelerateEU」の指針に言及し、ショックの性質は変わっていないため、指針は依然として有効だと述べた。今回の発言は、新たな欧州資金調達パッケージや政府向けの追加資金を発表するものではない。
AccelerateEUのカタログは、消費者保護と省エネルギーのインセンティブを両立させる方法を説明している。選択肢には、脆弱な家計の所得を対象とした支援、バウチャー、社会料金などが含まれる。エネルギー多消費産業向けには、省エネルギー、クリーンエネルギー、需要の柔軟性に関する取り組みを条件とした一時的支援が盛り込まれている。これらは各国の措置の例であり、カタログによって自動的に付与される支援の権利ではない。
国債利回りの上昇も、財政への圧力となっている。会合後に公表された書面声明で、ドンブロフスキス氏は、この現象が大半の先進国経済に及んでおり、欧州では、特に債務の多い国がその影響を徐々に受けることになると指摘した。同氏は、政府が中期財政計画の目標を順守し、防衛と安全保障のために利用可能な柔軟性を慎重に活用するよう求めた。
債務の持続可能性へのリスクについて問われた同委員は、ユーロ圏の債務は平均満期が比較的長いため、新たな資金調達条件が利払い費に反映される速度は緩和されると説明した。借入コストの上昇は段階的に波及するため、各国には政策を調整する時間があるという。同氏の説明はコストが生じる速さに関するものであり、財政圧力への警告を取り消すものではない。
ドンブロフスキス氏が言及した計画は、欧州の経済ガバナンス枠組みの一部である。計画には4年または5年間の財政上の約束、改革、投資が盛り込まれ、純支出の軌道も含まれる。欧州委員会の評価を経て、理事会が承認する。純支出指標は利払い費を除外しているため、利払い費が予算に与える圧力を、軌道の自動的な超過と混同してはならない。
同じ記者会見で、欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、ECBは国債市場で無秩序な動きを確認しておらず、最近の動向は世界的な現象だと述べた。この評価は、状況を市場の機能不全と解釈することを抑制するものだが、各国政府がより高いコストを段階的に負担するとの欧州委員会の警告と矛盾するものではない。
ドンブロフスキス氏は、これらの勧告を、複合的な経済状況の中に位置づけた。ユーロ圏は年の前半に予想をやや上回る結果を示したが、欧州委員会は2027年に成長が減速すると見込んでいる。エネルギーの混乱や夏の異常気象の影響が、挙げられたリスクに含まれる。声明は、成長率について新たな数値予測を示していない。